前編では、日本のデジタルメディアTOP500はどのような媒体によって占められていて、またどの程度のPV数やバズを獲得したのかを分析した。後編では昨年との比較から、どのような変化があったのかを考察したい。

5. カテゴリ別メディア数の推移

メディアの構成割合(表1)で見た場合、マスメディア系のデジタル媒体は新聞、テレビ、雑誌と全てのカテゴリにおいて2%ほどその割合を増やしており、昨年と比較して存在感を増していることがわかる。

表1:詳細カテゴリ別メディア数の構成比の推移

逆に減っているのがオンラインの総合(ビジネス、ライフスタイル、エンタメなど3つ以上のカテゴリーを有しているメディア)とネタ系媒体(“やってみた・調べてみた・食べてみた”というタイプの記事を中心に扱うメディア)、そしてキュレーションメディアである。特にキュレーションメディアはその割合は3%も減らしている。ネタ系媒体とともに、軽めの「クスッと笑える」要素を前面に出したキャッチーなメディアというのが、徐々に影響力を減らしつつあることがこの数字からも見て取れる。

6. カテゴリ別Visit数の推移

ではVisit数はどうなのか。幅広いWEBサイトのアクセスを解析する代表的なツール『SimilarWeb PRO』を活用してわかる範囲でのデータ分析を行った結果となるため、あくまで実数ではなく傾向値としての比較にはなるのだが、その数値を大きく増やしたのはポータル系ニュース媒体であった(表2)。

表2:詳細カテゴリ別Visit数の構成比の推移

昨年と比較すると1.5倍に増えているが、これは主にSimilarWebが(以前よりも正しく)スマートフォンからのアクセスを推測できるようになったためであり、実数が著しく増えたものではないと考えられる。事実、SimilarWeb上で大きくVisit数を増やした媒体はdocomoやauといったキャリアのポータルサイトであった。

対照的に、キュレーションはVisit全体に占める割合が大きく減少している。割合ではなく実数で見ても、キュレーションだけが去年に比べて数字を減らしている(表3参照)。

表3:詳細カテゴリ別Visit数の増減率(前年同期比)

先述の通り、SimilarWebの集計方法が変わったこともあり、それ以外のメディアは全て数字を伸ばしているにも関わらず、「一人負け」とも言える状況である。キュレーションメディアは1年前の前回調査でも2割以上減らしていたことを鑑みると、2年でその影響力はほぼ半減したと言える。

キュレーションメディアのVisit数がどのくらい減っているのかを示す具体的な例を紹介したい。これはあるスキンケア関連のキュレーションメディアの2018年4月~9月までのVisit数の推移をSimilarWeb PROで確認したものである(表4)。

表4:某キュレーションメディアの半年間のVisit数推移

このメディアの4月時点のVisit数は350万以上と、SimilarWebではwithnewsやForbes JAPANと同程度のVisit数を記録していた。記事を見ると、文章は比較的長く、キーワードがたくさん埋めてあり、メジャーなサイトへのリンクが多数貼られるなど、検索で引っかかりやすくしてVisitを稼ぐ、典型的なキュレーション媒体ではないかと思われる。それが8月以降に数字を大きく減らして9月の時点では37.5万Visitと、およそ10分の1にまで減少している。

キュレーションメディアは、今までその集客力に期待してタイアップを実施するクライアントも多かったように思うが、今後は媒体ごとに記事の質を確認したり、Visit数に関するデータを活用しながら検討していく必要がある。

7. カテゴリ別バズ数の推移

バズについては、Yahoo!ニュースのバズ獲得率の伸びが著しい(表5)。

表5:詳細カテゴリ別獲得バズ数の構成比の推移

去年6月は9%だったが今年19%と倍増している。実際、我々の肌感覚でも、Yahooが非常にバズが付きやすくなったという実感はある。特にTwitterよりもFacebookでシェアされやすいという印象を持っている。

それ以外だと新聞、テレビ、ポータルは微増しているが、それ以外は割と減らしているものが多い印象である。特に雑誌の減り方が激しいことが気になる。長文の記事が多い雑誌系ウェブメディアは、情報が大量に流れてくるSNS上では、特にシェアという点で分が悪いということかもしれない。