【エグゼクティブサマリー】
- 特色ある“地域ネタ”がもっとも狙い目
- 全露出の6割を占める、不動のTOP10媒体の存在
- 元記事掲載から2時間がヤフトピ掲載のひとつのボーダーライン
- 元記事掲載時間ピークは 午前7時台 or 午前11時台
以前公開した、日本のデジタルメディアの「影響力」を測定してみたという記事で、我々は「日本のニュースサイト訪問者のおよそ4分の1は、Yahoo!ニュースを見ている」というリサーチ結果を発表した。
Yahoo!ニュースがいかに多くのアクセスを集めているのかをデータで示した記事であったが、そのYahoo!ニュースの中でも強い影響力を誇っているのが Yahoo!ニューストピックス、いわゆる「ヤフトピ」であることは周知のとおりである。
今回、我々研究所では、多くのPRパーソンの夢(?)である「ヤフトピ」に自社の記事を掲載してもらうにはどうしたらいいのかをテーマに、ヤフトピに掲載された記事の分析を試みた。
調査期間:
2017年11月1日〜30日
取得データ:
Yahoo!ニュースが「主要-トピックス」として配信したRSSのうち、弊社がFeedlyで取得できた2,172記事
カテゴリー別の傾向
記事が取り上げられる「打率」を上げるには、記事を多数配信しているカテゴリーを把握する必要がある。ということで、もっとも多く記事が掲載されたカテゴリーを確認したところ「地域」が一位であり、「スポーツ」「国内」がこれに続いた。
「地域」カテゴリーは、かつてYahoo!アプリのTVCMで地方紙が読めることを打ち出していたことからも推測できる通り、Yahoo!ニュースが注力している分野だと考えられる。政治や事件を扱う「国内」よりも「スポーツ」が多いことは若干意外ではあったが、これは野球の日本シリーズが行われた時期であったことも影響しているかもしれない。
媒体別の傾向
続いて多くの記事を掲載させた媒体を確認した。こちらは、新聞のデジタル版と通信社のみで上位10位までを独占していることがわかった。これは昨今話題になった「フェイクニュース」や誤報を流さないように最新の注意を払っているYahoo!ニュースが、媒体の信頼性を重視した結果だと考えられる。
驚くべきはその割合で、この10媒体でヤフトピに掲載されたニュースのおよそ6割に達しており、さらにトップ3媒体で全体の3割強を占めていた。
さらにおよそ2年前と現在で、取り上げられる媒体に変化があったかを確認した。結論から言うと、媒体の変化はほとんど全く見られなかった。2017年11月に9位にランクインしているスポーツ紙は前回の調査ではランク外だったものの、11位であった。
この2年間、多くの新しい媒体が登場し、Yahoo!も提携先を入れ替えているにも関わらず、取り上げられる媒体のトップ10はほとんど入れ替わっていないことから、この10媒体の重要性が理解できる。
掲載までの所要時間
次は、もともとの媒体に掲載されてから、どのくらい経過したらヤフトピに転載されるのかを調べた。これは、RSSでの配信時間と、もともとの記事の配信時間を弊社で目視で確認した結果である。
結論から述べると、我々が確認できた全掲載記事のうち、およそ6割は掲載から2時間かからずに転載されていた。これはニュースという一刻を争う種類の情報である以上当然とも思えるが、逆に2%程度の記事は掲載から10時間以上が経過してからヤフトピで取り上げられている意外な事実も判明した。
また元記事が何時に配信されるとヤフトピで取り上げられやすいかも調べたところ、午前7時台もしくは午前11時台のものが比較的多いという結果が出た。
広報担当者としては、「特色ある地域ネタ」を、「全国紙や通信社の当該支局の記者」に、「午前中の記事掲載につながるタイミング」で情報発信を心がけると良さそうだ。